I-Play Fes 中高生ディレクターズ!

【中高生ディレクターズ マーム取材in横浜】その① インタビュー編

2月16日(日)、ディレクターズの選抜メンバーは横浜に行ってまいりました!

 

2013年に続き、今年のI-Play Fesで公演をしてくださるマームとジプシー。今年は新作のRと無重力のうねりで』を上演していただくことになっています。今回、5名のディレクターズ達が、横浜ののげシャーレに同作品を観劇&取材しに行きました。I-Play Fesに来て下さるお客様より一足先に作品を観劇し、その魅力をレポートしよう!ということになったのです。


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ゆうか:マームさんといわきの関係は?

藤田さん:うんとねー。その、2011年に、まあ地震のまえなんだけど、2月の公演(『コドモもももも、森んなか』横浜STスポット・神奈川)の時に(いわき)総合高校のいしい先生が観に来てくれて、その時に次の年の*アトリエ公演で演出やらないかって話になって、そしたら地震が起きて、で、最初はやれるかどうかっていう感じだったんだけど、結局やれることになって。2012年の1月に、ずっといわきに滞在しながら。今日も出てた*長谷川洋子さんが2年生の時だったんだけど、その2年生の授業の中で、ひとつ作品(ハロースクール、バイバイ)を創って公演したのが最初だったんだけど。で、去年の2013年の2月に、今度はマームとジプシーの作品を持って行って上演したっていう(I-Play Fes2013にて『あ、ストレンジャー』を上演)。そう、だから、いわきで作品を打つのが3年目なんだよね。そんな感じで3年間、いわきは僕なりに係わってきたつもりではいますね。

 

*アトリエ公演…福島県立いわき総合高校の芸術表現系列(演劇)の授業選択者が、2年次の冬に学校のアトリエで行っていた公演。プロの演出家と一緒に作品を創っていた。現在アトリエ公演は無くなり、現在は3年次の卒業公演のみ。

*長谷川洋子さん…いわき総合高校の昨年度卒業生、元演劇部部長。在学中に系列演劇の授業を通して藤田さんと出会う。現在は演劇の勉強をしながら、舞台女優としても活動。今回の作品は、「cocoon」に続いて2度目のマームへの出演となる。


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つう:藤田さんの仕事(マームとジプシー主宰)って、どんなことをするんですか?

藤田さん:僕は、まぁ、その、作品を創るってことをずっとやっていて、演劇をただ創ってるだけなんですけど。まず、台詞とかを書く作業と、あと、そこにどういう演出をするか。光とか音とかそういうことも全部含めて、やってます。だからなんかその、他の人が何をしてるのかは分からないんですけど、僕は全部自分でやってます。役者さんが勝手にやることもないし、全部コントロールしてやってます。

 

つう:どんなことを思って、このような演出をしたんですか?

藤田さん:それもすごくいい質問で。なんだろう、やっぱり演劇って、今そこにいる人と、今来た人に対してやるものでもあるわけですよ。ライブっていう意味では生。そう考えたときに・・・こう、来月いわきに行くじゃないですか。やっぱりそのことも作品を創る上で無視できなかった。もしもこれが横浜だけで完結する公演だったら、さっきも観たと思うんだけど、途中に出てくる「津波のハナシ」みたいな話になる部分を、多分伏せていたのかもしれなくて・・・。でもやっぱり、どこか「いわきに行く」ってことが念頭にあって。それでまぁ、まだそれについては今も考え続けているというか。あのシーンを入れたっていうのは、すごくいい話を入れた、っていうことではなくて。何だろう・・・僕みたいな、いわきに住んでいない、津波にも遭っていない人間が、津波の話をすることの重大性っていうか、リスクはあるなぁと思っているんだけども。でも、さっきも言ったように、僕の中で3年間いわきのことが何となく念頭にあって作品を創って来たから、やっぱりそれを作家として試したいっていうのがあって・・・。

・・・あと、今回ボクシングをやるってことがまず前提にあったんだけど。徐々に作品を詰めていくときに、やっぱり来月いわきに行くっていうことが頭の中でグルグルしていて。今の自分に正直な意味で、それが本当に舞台上にのっているかどうかって悩んだ時に判断したシーンがいくつかあって。その過程は、いつも作品を創る感じとは違いますね。そう、去年のフェスの時もそういうことを考えたんだよね。吉祥寺で公演をした後にいわきのI-Play Fesにもっていくっていう段階で、なんかそういう意識はしてしまう状態だった。だから今回もいつもと違う心持です。


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えみこ:今回観させていただいたんですが、改めてこれから観るお客さんに対して。全体的にどのような作品になっているか教えてください。見どころとか。

藤田さん:そうだね。例えば、もう「このお芝居はこの一つの感想に尽きる!」っていうお芝居っていうのは、僕は、正直くだらない演劇だと思っていて。100人が観て100人が同じ感想しか持たないというのはあまりに乏しいと思ってるんですよね。で、100人きたら、100通り受ける受け方があると思っていて。それで批判されても称賛されてもどっちでもいいし、とにかく客席にムラがあるように創りたい。あまり感想を統一させない、ということが念頭にある。その上で言うと、やっぱり今回はボクシングっていうすごく分からないスポーツに関してずっと挑み続けてるのが、まぁ見どころですね。・・・フフッ、見どころとかいっちゃうの恥ずかしいんだけど、なんか()


  ―ボクシングと演劇―


藤田さん:役者がね、半年以上(7~8か月)、ボクシングを習ったのね。で、やっとあれぐらい、っていうかまだあの程度なんだけど。その、やっぱボクシングって不思議で、僕はまぁ好きなんだけど、観るのが。でも何で殴ることとか殴られることを、敢えて傷つける傷つくみたいなことを選ぶのかとか・・・。それを観て楽しんでる自分がいるし・・・なんかそれってすごく可笑しいよね、人として。でもそれは暴力ではもちろんないし そういうスポーツなんだけどさ。だけどそれを観て楽しんだり、それをやって快感を得ているっていうのは、何かすごく僕の日常には無いなって思って。あの行為自体が一つのフィクションの世界だなって思って。だから直感的に、ボクシングみたいなのってちょっと異常だから、演劇にはなるなぁってすごく前々から思ってて・・・。それを、よくある殺陣みたいな形でやるんじゃなく、本当に殴ってもらって、本当にジムに通ってもらって、っていうことで何かやろうとしてて。


  ―28歳になった今、感じる危機感について―


で、何か今、僕28歳で、けっこう年取るのつらいんですよ()。どんどん年取ってくなーと思って。人って。もう若いとか言ってられない。2~3年前まではとりあえず若い藤田くんだったんだけど()、最近全然若くなくなってきてて、正直キツイなーみたいな。僕が年を取っていくってことは、関わってる役者さんも年をとっていくってことだし。今日出てた男優さんだと、例えば石井くんは僕と同い年で、あとはちょっと上で。ナカシマ君は40歳で昨日41になったんだけど。多田さん(多田淳之介・東京デスロック主宰)も前に言ってたんだけど。あ、多田さんもお芝居でこうやって体を酷使する人なんだけど、その人に「30歳になったら、役者も疲れるよ。」って言われた時があって、それがけっこう衝撃的で。でも確かにそうなんだろうなぁって。若いっていうだけで済まされない年齢になってきた時に、危機感を感じたんだよね。だからなんかその、身体は出来てる方が良いっていうか。来たる30代に向けて体を鍛えよう企画でもあったんですけど()。実際に石井くんとか尾野島くんも、ボクシング習う前は今から2~30キロ太ってたんだよ。昔のマームを好きな人は、鍛えすぎじゃない?って()。ぽよぽよしてた尾野島くんが好きな人たちは、何かそういう批判をしてくるんだけど()。まぁ、そういう時期なの。過渡期。いま()



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P:タイトルの、“無重力”というのは?

藤田さん:最初は本当にシンプルに。ボクシングって、観に行けば分かるんだけど、ダウンしたらもう気絶して倒れるのね。何でそこまでしてスポーツやりたいんだよ!っていう。さっきも言ったようなことでつけた名前だったんです。あと、そこからどんどん連想していくと、・・・実際に僕の友達で亡くなった人が数人いて、その中の1人のことをモチーフにしてるんだけど。その人も、ちょっとそういう暴力で死んでしまった人だったから。その人の事を想像していった時に、悲しいっていうだけじゃなくて、脳の記憶が具体化されていくと、その子が死ぬ時に味わってた感覚っていうのを知りたくなってきたんだよね。その子も、まぁボクサーとは違うんだけど、ダウンしたんだよね。だからその時間の事をやりたかった。それと、やっぱりそうなってくると、僕にとって無重力っていうのはやっぱり波にのまれた人たちの感覚。その感覚も無重力だったんじゃないかなと思っていて・・・。海がある町だったんですよ僕が育った町も海がある町だったんですよ。で、何回か海で遊んでて、普通のレベルでおぼれたことがあったんだけど、それってすごくなんか無重力だよな、って思って。で、やっぱりその中で、死んだ人たちってのはいるんだよなって思って。そういうことを想像しながら、付けたタイトルにどんどん連想を重ねて、「あれも無重力だ、あれもうねりだ」ってことで創作していったってことが大きかったですね。Rはラウンドのことと、りょうすけくん(死んだ友達の名前)の頭文字ですね。リングとかそいうこともあったんだけども。

 

良空:見所の中でも、作品のなかで「ここに力を入れた!」とか、そういうのって、・・・全部入れたと思うんですけど、特にここがってところはありますか?

藤田さん:ボクシングジムに実際に通わせたってことが、まず、凝ってるとずっと思ってた。これは俺が毎月4人(この作品には、ボクサーが4人出てきます)の月謝払って・・・。毎月月謝払ったんだよ()。これが凝ってるとずっと思ってたんだけど。後半、おとといかな?1番凝ってるなって思ったのが、なんかやっぱり尾野島さんで、小野島さんがほんとにもう、フラフラだから、劇中ボコボコにされて本当にダウンしちゃったことがあって、尾野島さんの病院への手配とか、湿布を買ってくるとか、そういうことばっかりに凝ってたなって思って。何で俺尾野島さんにばかり凝ってるんだろう?って後半思ってしまったんだよね。凝ってるってのは尾野島さんだよね、尾野島さんにお金かけてるよね()。見所というか、一番凝ったのはそういう意味では男子の肉体かな。でもほんとに痣もすごいし、何か、技もすごいし、衣装も、スズキタカユキさんにお願いしていて。男の人に初めて衣装をやってもらって良かった。今まで、男子の衣装が適当だったの。一番お金を掛けないくらい、ずっと女子が主役の作品ばかり創ってきてたから。で、今回初めて男子が主役になって、そしたらけっこう僕としては今回の衣装すごい好きなんだけど・・・カッコイイなと思って。今までずっと女性主役だったんですよね。ここで来たる30代に向けて、男の人と作業してみようっていうのが、今回・・・そうですね、凝ってることですね

 

林さん(マーム制作):(藤田さんに)男子の衣装合わせのときさぁ、「この時間寝ていたい」って言ってたよね()

藤田さん:興味ないんで。女子にしか興味ないんで()

林さん:ひどいですよね()

 

ディレクターズ:最後に、いわきの皆さんに一言お願いします!

藤田さん:ホントにね、あの、人が好きなんで。いわきの。なので、すごい楽しみにしてますし、マームのみんなもすごい楽しみにしてるよね。去年は*ケータリングが美味すぎて。あれあるのかな今年も。本当に美味しくて。まいまいって子がいたんですけど、まいまいのお父さんが作る煮卵がどこのラーメン屋よりもうまいの、マジで!だから、楽しみにしてるし、いわきにいく公演は、そういう高校生と一緒に創った作品でいわきに出逢ったってのもあるんだけど、作家としても楽しみです。みんな、役者さんも楽しみにしてる。

*ケータリング…フェスティバスに参加していただいた劇団やスタッフの方々に、いわき総合高校の演劇部が各家庭の手作り料理を持ち寄って楽屋前廊下に設けたケータリングコーナー。大好評につき、今年のフェスティバスでもやる予定です。マームの皆さん、楽しみにしていてくださいね!

 

以上、インタビューの内容でした。

今日中に、メンバーの感想をアップしたいと思います!

 

今回、藤田さんがいわきに持ってきてくださる作品は、『Rと無重力のうねりで』の他に、『まえのひ』という一人芝居があります。こちらに出演される、舞台女優の青柳いづみさんも、今回スタッフとして公演に係わっており、お会いすることができました。最後に一緒に記念写真を撮りました。それがこちらです!



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I-Play Fes2014 マームとジプシー公演日程

『Rと無重力のうねりで』

320日(木)19:3022日(土)18:00 いわきアリオス小劇場

作・演出:藤田貴大

出演:石井亮介 伊東茄那 尾野島慎太朗 中島広隆 波佐谷聡 長谷川洋子 吉田聡子

 

 一人芝居『まえのひ』他

321日(金・祝)1430 MUSIC & Bar Queen

テキスト:川上未映子 演出:藤田貴大 出演:青柳いづみ

 




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by iplayfes_youth | 2014-02-25 12:47